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ヒューマンライフコード株式会社

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ベンチャー企業選手権最優秀賞獲得! へその緒由来の細胞で再生医療の新たな可能性を拓く

ヒューマンライフコード株式会社 代表取締役社長 原田雅充
(撮影場所提供:XEX愛宕グリーンヒルズ)

「東京からユニコーン企業を創出する」。このテーマの下、去る2019年11月22日に開催された東京都後援「東京ベンチャー企業選手権大会 2019」にて、総数300社に及ぶ参加各社の中から見事、最優秀賞である東京都知事賞を受賞したヒューマンライフコード株式会社

様々なベンチャー企業が居並ぶ中から、彗星の如く現れて栄冠を手中にしたヒューマンライフコードは臍帯などヒト組織由来の細胞を細胞医薬として有効活用し、難治性疾患や、加齢に伴い障害された組織の修復を目指す、再生・細胞医療に特化した会社だ。代表取締役社長の原田雅充氏に、受賞の感想と今後の展開について伺った。

 

医療の未来を変える可能性を持った細胞

―まずは受賞おめでとうございます。受賞後に何か変化はありましたでしょうか?

これまで当社の認知度は低かったので他社からのアプローチは少なかったのですが、最近は多くの方からお声がけや提案をいただけるようになりました。発表前には誰からも受賞を予想されていなかったのに最優秀賞をいただけたので急に注目されました。

 

―M-1グランプリで敗者復活から優勝したような(笑)。

はい(笑)、受賞したことで知名度と信頼を得ることができましたので、今後事業を展開していく上で大きな弾みになっていくと思います。

 

―ヒューマンライフコード株式会社は臍帯由来の間葉系細胞を使った再生医療製品の開発・製造を手がける会社として2017年4月に設立されました。臍帯、つまりへその緒ですが、そこから抽出される細胞には様々な効果があることが報告されています。

2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授の研究されているiPS細胞(人工多能性幹細胞)には、様々な臓器を修復し、疾患を治療できるという機能があります。弊社が扱っている臍帯から抽出した間葉系細胞も、iPS細胞と同様に再生医療に利用できると注目されているものです。母と子を繋ぎ、新生児の体を形作る役目を担う臍帯には、最も若い細胞が存在し、活性が強く増殖能力が高い。臍帯由来の細胞を利用することで細胞培養にかける期間は短縮化できます。

また現在、日本の再生医療の現場で汎く用いられている骨髄由来の他家細胞は、骨髄の入手を海外からの輸入に頼っている現状です。

しかし臍帯を利用することによって、海外からの輸入に頼ることなく国産の原材料として入手可能となり、この問題も解決することができます。1本15cmの臍帯から老若男女、人種を問わず利用できる細胞を1,000人分も生み出すことができるのですから。

 

―幹細胞を用いる再生医療には心不全、脳梗塞、心筋梗塞、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、糖尿病ほか脳性麻痺の子供への効果なども報告されています。これら様々な可能性が期待されている再生医療の市場は2050年には国内市場2.5兆円、世界市場38兆円規模になるとも予想されています(経済産業省調べ)。

中でも臍帯由来の間葉系細胞は、産業化といった点で他の幹細胞より再生医療の分野で先行しています(Nature、2011年)が、これらの将来性が今回の受賞の要因になったということでしょうか?

将来性も加味されての受賞でしょうが、もう一つ言えることは、後援の東京都との親和性が高かった、ということもあると思います。世界的に注目されている医療分野であり、東京で臍帯を集めて東京で製造する、そしてもこの東京で構築したビジネスをモデルとして「地産地消」をコンセプトにしたグローバル展開もできる、東京発のグローバル事業になりうるという点がまず1つ。

そして東京都では今までお産した病院から臍帯などの組織を外に出して利活用することが条例で禁止されていたのですが、昨年の9月から条例が緩和され、産業上利用できるようになったタイミングも挙げられます。

また、人は一般的に加齢と共に筋力が落ち、健康を維持する間葉系細胞も老化すると共に数も大きく減ります。仮に臍帯由来の間葉系細胞を弱り始める段階で治療に使うことができるとしたら、要介護など高齢化問題への処方として大きく貢献できる社会的インパクトの大きさ。

これに対し、確かなエビデンスを戦略的に構築しつつあるこれまでの実績含め、こうした要素が複合的に評価されたのだと考えています。

はっきりと言えることは、ここにきて遂に、市場、資金、細胞を製造する座組、そして全国へ届ける生産・流通体制という4要素が整ったことです。ここまでの道のりは長かったようで短くもありますが、ここからもう一段アクセルを踏み込んでいく所存です。

 

全てのステークホルダーが環となって繋がる

―受賞による各ステークホルダーへの影響についてもお伺いします。

細胞を共有してくれる産科病院について言及しますと、現状では臍帯の保管率は概算で全体の0.1%といった段階です。10%になれば、国内で必要としている全ての人に届く量を確保できます。ですから多くの産科病院にご理解ご協力いただくことがなによりも重要になります。

今、当社が社会的に高い評価を与えられたことで、幾ばくかの信用を獲得しましたから、社会的変革の担い手となれるよう提携病院との供給体制構築の拡大など細胞医療の土台となるインフラ構築事業も研究開発パイプラインの推進と同時に進めていく段階です。

また、産科病院は臍帯を提供していただくと同時に完成した製品をご利用いただく対象でもあります。今後は事業で得た利益をきちんと病院に還元していく仕組みを整えたいと思います。

SDGsやESGといった概念がこれだけ広く浸透した世の中になりましたから、当社としても持続可能な社会の実現に責任をもって貢献すべく、収益の一部は感謝を込めてステークホルダーに還元していく、「利他の心が臍帯1本1本を中心につながっていく」循環型社会のビジネスモデルを実現していきたいと考えています。

 

金融機関や投資家や株主も、事業を運営・拡大していく上でなくてはならない存在です。そして何よりリスクをとってヒューマンライフコードに入社して情熱を捧げてくれている従業員、そして彼ら彼女らを支えるご家族の皆さんに対しても今回の受賞は一つの大きな信頼になったと思います。

 

―地域社会との関係については?

高齢化に悩む地域で活用することができれば、地域全体の健康促進への効果がありますし、高齢者が働けるようになれば地域の活性化にも繋がると思います。またこの事業は実際に使用した後のフォローアップも重要になります。現在は東京都に加え、神奈川県や浜松市などと協力して事業を進めるべく計画していますが、今後はさらに地域社会や自治体と協力し、ロングスパンで事業運営していきたいと考えています。

 

―最後に、これからのグランドデザインについてお伺いします。

受賞を経て、これからは第2のスタートの段階になります。2020年末には東京大学医科学研究所と協力し、細胞をストックする製造処理施設を設立することになっています。今後も更に研究を継続し、まずは難病の患者さんに対する治験を行って医薬品レベルのエビデンスを積み上げ、その後は汎く未病段階と呼ばれる疾患に活用してもらえるように挑戦していきたいと考えています。

弊社ヒューマンライフコードの社名には『命を繋ぐ』という意味を込めています。赤ちゃんのへその緒が、1本のへその緒が、研究開発、製造、卸、産科病院など様々な協力者の手を経て、最も若い細胞という形に変わり、多くの必要としている方々に細胞が届く。それらのピースが1つでも欠けていたらできない事業です。

事業を取り巻く全てのステークホルダーが利益を得て、自分自身もご家族、ご兄弟姉妹、大切にしたいすべての人々が心豊かな人生を全うできる世の中に。ステークホルダーが1つの環となり循環して大きくなっていく、そういった世界を思い描いています。

―ありがとうございました。 

<プロフィール>
 原田 雅充(はらた まさみつ)

 1972年8月29日生。1996年、旧通産省工業技術院生命工学工業技術研究所でヒト血管内皮細胞の増殖機構に関する研究、1998年、岐阜大学大学院農学研究科生物資源利用学修士課程修了(遺伝子工学)。2004年、東京大学医科学研究所分子療法研究分野で難治性血液がんに対する新規薬物送達システム研究にて米国血液学会にて登壇(口頭発表)、血液領域の一流雑誌に論文が掲載される。1998年より日本化薬(株)、その後アムジェン(株)にて、C型肝炎治療薬の承認取得、複数領域の臨床開発業務に従事。2007年にセルジーン(株)に入社し、マーケティングマネジャー、メディカルアフェアーズ部シニアマネジャーとして自社販売体制の構築及び血液がん治療薬上市の成功を導いた。その後、臨床開発統括部長(ディレクター)として複数の開発プログラムのマネジメントに携わる。
2014年、経営者を目指し単身渡米、ニューヨークにてMBAを取得。帰国後
2015年、シンバイオ製薬(株)執行役員CBO(Chief Business Officer)・営業・マーケティング本部本部長を経て、2017年、ヒューマンライフコード株式会社を創業、現在に至る。早稲田大学理工学部招聘研究員や名古屋大学大学院医学系研究科老年科学 非常勤講師を兼任。一般社団法人日米協会会員。愛知県名古屋市出身。趣味はテニス、ボクササイズ、読書、映画鑑賞。

 
ヒューマンライフコード株式会社(英名:Human Life CORD Inc.)

設立:2017年4月5日
所在地本社:〒100-0011 東京都千代田区内幸町2丁目2番2号 富国生命ビル15階
日本橋支店:〒103-0012 東京都中央区日本橋堀留町1丁目9番10号 上野ビル5階
代表者:代表取締役社長 原田 雅充
事業内容:国産再生医療等製品及び医療機器の研究開発・製造・販売
資本金等:1,017,000,000円(2020年1月時点)
http://www.humanlifecord.com/